めまいの分類
「めまい」はいろいろな種類がありますが、大きく分けると3つの種類に分けられます。
ぐるぐる目がまわる「回転性めまい」、ふわふわ浮いているような感覚の「浮動性(動揺性)めまい」、クラッとする「立ちくらみのようなめまい」の3つです。それ以外にも首の異常から起こる「頚性めまい」もあります。
【回転性めまい】
回転性めまいとは,実際には動いていない状況だが自身または周囲が動いているように感じられる感覚です。その場でぐるぐる回り急に止まると周囲のものが回転しているように感じますが、それとよく似ています。回転ではなく片側に引っ張られるように感じる方もいます。
「天井や壁がぐるぐる回る」「目の前の景色や人が回転している」「自分がグルグル回る」という訴えが多いです。ひどい場合は歩行が困になったり、起きていること自体が厳しくなります。
めまい以外にも吐き気、耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)、耳が聞こえなくなる(難聴)などの症状を伴うことがあります。
「メニエール病」「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」などの耳の病気が原因となり体のバランスを保つ平衡機能の異常により起こります。
また脳出血や脳梗塞といった脳の病気で起こることもあります。
メニエール病
ぐるぐる回転するめまいです。難聴・耳鳴り・耳が詰まった感じ・吐き気も起こる病気です。それを何回も繰り返しますことが特徴です。平衡感覚や聴覚に悪影響を及ぼします。寝ていても座っていても回っている状態です。
三半規管や蝸牛などの内リンパ液が増えて、水ぶくれのような状態(内リンパ水腫)になることで起こります。その原因としてストレス、睡眠不足、疲労の蓄積、几帳面で真面目な性格、気圧の変化などがあると考えられています。また30代〜40代の女性に多いと言われています。
前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)
前庭神経は、体の平衡感覚を維持する神経です。そのため前庭神経に炎症が生じると平衡感覚に異常が生じてしまい目が回るような“回転性めまい”や吐き気がが生じましす。
前庭が炎症を起こすのは、発症前に風邪の症状がある人が多いためウイルス感染が原因と考えられています。過去に感染した単純ヘルペスウイルスが前庭神経節に潜んでいて、それが再び活性化することが原因との説もあります。
また感染が見られない場合もあり、内耳の血液の循環障害も原因の一つと考えられています。
平衡感覚を司る神経の炎症であって、聴覚を司る神経の炎症ではないので、他のめまいのような難聴、耳鳴り、耳閉感などの耳の症状は起こらないことが特徴です。また眼球が一方向にゆっくりと動いて素早く戻るという動きを繰り返す「眼振」という症状がみられるのも特徴です。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
じっとしているときは起こらないですが、特定の頭の位置や頭を動かすこと(寝返りしたり、起き上がったり、横を向いた時など)で誘発される回転性のめまいです。洗濯物を干すときに上を向いたときや料理や洗髪などで下を向いたときにめまいが誘発されることも多いです
耳石(カルシウムの小さな結石)が剝がれて三半規管に入り込み動き三半規管を刺激してめまいが起きます。なぜ耳石が剥がれるのか明確な原因は不明ですが、更年期以降の女性に多いことから加齢や女性ホルモンの低下によりカルシウム代謝が変化することで耳石がはがれやすくなると考えられています。このめまいは長時間続くことはなく、多くは数秒〜1分以内、長くても数分でおさまりますが、何度も繰り返すのが特徴です。めまいに伴って吐き気や嘔吐の症状が出る場合もありますが、難聴や耳鳴りなどの症状が起こることはありません
【浮遊性めまい】(浮動性めまい)
「体がふわふわしている」「雲の上を歩いている感じ」と表現されることが多いです。立っているときや歩いているときだけではなく、座っているときにも起きる場合があります。自分で姿勢を保つのが難しくなります。
浮遊性めまいの原因は多岐にわたります。
ストレスが原因で自律神経が不安定になったときや更年期障害、首や肩や頭の筋肉が過度に緊張して起こる緊張型頭痛が原因になることもあります。また高血圧や脳の病気で起こることもあります。
【立ちくらみのようなめまい】
「目の前が真っ暗になった」と表現されるめまいです。
気が遠くなるような感じがして、立ち上がったときに貧血のようなクラっとした感覚がします。一般的な立ちくらみがこれに相当します
低血圧、起立性調節障害、不整脈、貧血が原因となります。
【頚性めまい】とは
医療機関でいろいろな検査をしても耳や脳に問題がないのに、下を向いたり横を向いたり首を動かすと「めまい」が起きるというケースがあります。
この場合は、首の異常から起こる【頚性めまい】の可能性があります。
頚性めまいとは「原因が首にあるめまい 」で、過度な首こりなどがめまいを引き起こします。
首こりが、首の中にある自律神経や血管を刺激し悪影響を与え、めまいの他にも緊張型頭痛や吐き気などの症状も出やすくなります。
医学的には頚性めまいの明確な診断基準がまだないため原因不明のめまいと診断される場合があります。

めまいの人が首の不調(頚部痛)も併発していることが多く,首の調整でめまいが軽減するということも多かったため頚性めまいが注目されるようになりました。
頚性めまいの原因は、頚部の筋肉・骨・靭帯の異常が自律神経を刺激する場合や、首にある椎骨動脈が圧迫されることによる血液の循環不全の場合などがあるといわれています。

まとめ
めまいの原因は複数あり、脳や耳の病気、ストレスや自律神経の乱れ、更年期障害や高血圧、睡眠不足によるものもあります。また過度の首こりから起こる頚性めまいの場合もあります。
まずは病院で検査して、検査では異常がないがめまいがある場合は首の筋肉や骨格を調整できる当整体にご連絡ください。