頚椎椎間板ヘルニアとは
首の骨(頚椎)は7つの骨があり、骨と骨の間には椎間板と言われる軟骨がクッションの働きをしています。
その椎間板が飛び出し脊髄や神経を圧迫することで首肩の痛み、肩甲骨や腕や手指に痛みやしびれが生じるのが頚椎椎間板ヘルニアです。
椎間板の構造は円形になっており、中心部にゼラチン状の髄核(ずいかく)があり、それを取り囲む線維輪と呼ばれる丈夫な組織があります。
首の部分でこの線維輪に亀裂が入り中心にあるゼラチン状の髄核(ずいかく)が飛び出したのが頚椎椎間板ヘルニアです。骨と骨の間の椎間板が飛び出して脊髄や神経根を圧迫することで症状がでます。発症しやすい年齢は40代~50代の中高年層と言われています。

頚椎椎間板ヘルニアの原因
頚椎の椎間板は頭を支えているので常に圧力のかかる状態にあり最も早く老化が起こるとされており、老化現象による椎間板の機能低下が原因となります。
また無理に重いものをもったり、首を酷使する柔道やレスリング、ラグビーなどの格闘技やスポーツなどが原因となり椎間板が飛び出す場合もあります。
最近はパソコンやスマートフォンが普及し、頭を前に突き出した悪い姿勢が長い時間続くことも頚椎への負担を大きくしていると考えられます。加齢による椎間板の変性や、激しい運動や悪い不良などによる椎間板へ負担がかかることで発症します。
【頭を前に突き出した悪い姿勢でのスマホ】

頚椎椎間板ヘルニアの症状
首、肩、肩甲骨、腕、手に痛み・しびれなど生じます。
圧迫の程度が軽い場合は、痛みやしびれが生じても物を持ったり、服のボタンをかけるなどの動作には問題が生じません。椎間板ヘルニアは首の後ろ側に飛び出すので、首を後方や斜め後方へ反らす動作をすると腕や手に痛みやしびれが出ることが特徴的です。初期の段階では、首から肩、腕、手などに違和感や鈍痛が現れることが多いです。
中期の段階では、初期症状が進行した状態となり首から肩、腕、手にかけて、より強い痛みに変わったり、しびれが生じてきます。スムーズに首を動かせなくなったり、手の握力が低下する場合もあります。
後期の段階になり神経圧迫の程度が強くなると病状が進行し、日常生活に支障が出る可能性があります。首から肩、腕、手にかけて広範囲にしびれが出たり感覚が麻痺したりします。筋力が低下し力が入らなくなったり、歩行困難、指先を使う細かい動作が困難になる場合もあります。

頚椎椎間板ヘルニアの予防
頚椎椎間板ヘルニアの予防には、姿勢を改善することが大切です。頭は約5kgありボーリングの玉と同じくらいの重さがあるため猫背などの頭を前に突き出した不良姿勢は頚椎に大きな負担がかかります。
パソコンやスマートフォンを使う時に良い姿勢を意識し、長い時間同じ姿勢にならないことが大事です。デスクワークの人は時々手を止めて身体を正しい姿勢に戻すことと、座ったままでもできる簡単な首のストレッチを行うことで頚椎の負担を減らすことができます。また寝るときにうつ伏せの姿勢になると、頚椎が不自然に捻じれ負担がかかりますし、仰向けで寝る場合は、低すぎる枕で頚椎(首)が反った寝方にならないようにしましょう。立っているときの首の状態と同じになる高さの枕を選ぶのが良いとされています。それより少し高い枕で頚椎が反らないようにするのも良いです。また枕が柔らかすぎると頚椎が反る状態になりやすいので適度な固さの枕を選びましょう。
【良い姿勢でのスマホ】
