寝違えとは
起床時に首に痛みを感じて「寝違えたかな?」という経験は誰でもあると思います。寝違えとは、睡眠中に不自然な姿勢で寝たりすることで首や肩に過度の負担がかかり朝目が覚めたときに、首や肩に痛みを生じたり、首を左右に動かしにくかったり、痛みで首を動かせなかったりする症状のことです。決まった方向に首を動かすと痛みが強くなる特徴があります。急性の炎症が起こって痛みが現れると考えられています。

寝違えは数時間で痛みが改善することもあれば、数日間痛みや動かしにくさが続くこともあります。
ひどい場合は首が全く動かせずに仕事や家事に支障が出る場合もあります。
寝違えの正式名は「急性疼痛性頚部拘縮」(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)と言います。
寝違えの原因
長時間にわたり不自然な姿勢で寝ることで、首や肩に負担がかかり続けます。その結果、筋肉や靭帯(じんたい)や椎間関節の関節包などに急性の炎症が起こり、痛みや動かしにくいといった症状が起こると考えられています。
寝違えが起こる要因としては、前日の過度なスポーツや長時間のパソコン作業、重い物を運んだりして手や腕の使いすぎなどによる疲労の蓄積が挙げられます。
通常、寝ているときは無意識に寝返りをうち首や身体に負担がかからない姿勢に戻りますが、寝ている場所が狭かったり、枕が合わないときなどは不自然な体勢のまま眠り続けてしまい寝違えの要因になります。また疲れやストレス、深酒などから寝返りを打つ回数が少なくなって首や肩に負担がかかる姿勢が長く続いてしまうことも寝違えの原因です。また、睡眠中に体が冷えてしまい血流が悪くなることや、枕などの寝具が首に合っていないことも考えられます。
季節の変わり目は気温の変化が激しくなり、自律神経が乱れることで様々な不調が出てきやすく、季節性の寝違えも多くなる傾向があります。
寝違えの対処法
寝違えが起きたときは、安静にすることが大切です。無理に動かそうとすると、さらに炎症してしまい首の痛みが悪化する可能性が高いです。特に痛みが出る方向には動かさないようにしましょう。また、痛い部分のマッサージや揉みほぐし、首のストレッチは寝違えが悪化する可能性があります。
なのでツボを使うことで痛みの緩和が期待できます。今回ご紹介するツボは首から離れた場所にあるツボなので安心して押すことができます。
「落枕」(らくちん)というツボ・・・手の甲側にあります。握りこぶしを作ると、人差し指と中指の関節が盛り上がります。その間のくぼみを手首側へ約1cmたどると止まる所がツボです。(下の写真の青丸)
首の痛みのある側のツボを、痛気持ちいいくらいの力で2~3分押してみて下さい。
「落枕」(らくちん)という言葉は、文字通り枕から頭が落ちて首が痛いという意味です。

また炎症が起こって痛い部分に氷水を入れたビニール袋や保冷剤をタオルで巻いて冷やしましょう。冷やすことで炎症が抑えられ、痛みの改善や早期回復につながります。しかし、冷やしすぎると血行不良や筋肉が緊張てしまうため10~15分間冷やして様子をみてみましょう。
寝違えの予防
寝違えは目が覚めた時に痛みがあるので、睡眠中に原因があるとの考え方が一般的ですが、睡眠中だけではなく日常の生活習慣の負担や疲労が溜まって発生する場合も多いと思われます。
疲労の許容範囲を超えた時に寝違えは起こりやすくなります。
日常生活を見直して、ストレッチで首肩まわりの血行をよくすることで疲労が溜まらないようにすることが大切です。
また、首は重さ4~6kgもある頭を常に支えており、頭を前方に突き出した悪い姿勢だとかなり負担がかかってしまいます。スマートフォンやパソコンを見るときは首に負担のかからない良い姿勢を意識しましょう。またデスクワークなどで長時間同じ姿勢をとり続けることも悪影響があるのて意識的に休憩時間を作りましょう。
まとめ
軽いもので2~3日、通常は1週間くらいで痛みは和らいで気にならなくなります。
寝違えの時に病院でレントゲンなどの検査を受けても、首の骨に異常がみつかることはほとんどありません。しかし中には頚椎椎間板ヘルニアなどの病気が原因で首痛が起こることもあります。首の痛みが長引く場合や何回も首痛を繰り返す場合は医療機関での検査をおすすめします。
